研究内容

インジェクタブルゲルによるヘルスケアへの貢献

生体内での安全なハイドロゲル形成を可能とするインジェクタブルゲルシステムの開発及びその生体機能性材料としての応用研究を展開しています。従来、注射によって生体内で安全に化学架橋を誘導する事は困難でありましたが、高分子—フェノールコンジュゲートと酵素溶液の同時注入により、コンジュゲート中のフェノールの酸化カップリングを誘導し、生体内で安全にゲル化させるプラットホームテクノロジーを開発しています。この手法によって、生体内で薬物及び細胞をゲル内に固定し、長期間に及ぶ薬物徐放及び細胞増殖・分化の制御が可能となることから、様々な疾患に対して新たな治療法をDDS及び再生医療分野において確立されることが期待されます。実際にハーバード大学との12年間に及ぶ共同研究では、現在、治療方法の無い脳梗塞治療において我々のインジェクタブルゲルがその治療戦略に成り得る事を追究しています。疾患モデル動物の病変部に神経幹細胞を誘引する生理活性物質をインジェクタブルゲルより徐放させることによって、組織修正及び機能回復を可能としています。